自治体による去勢手術費用の助成相場

猫の大繁殖の多くが地域猫などの外猫で、そのため自治体では動物愛護意識の高揚とこれ以上不幸な猫を増やさない取り組みとして、20年ほど前から避妊去勢手術費用の一部を補助するようになりました。

各自治体からの助成額は、オス5000~1万7000円、メス9000~2万5000円程度です。また、捕獲器の貸し出しも行っています。そして個人が捕獲機の罠を仕掛けて、捕獲されたら動物病院へ連れて行きます。罠を仕掛ける餌は鶏の唐揚げが最も効果的と言われていますが、各地域や各自で工夫された餌が用いられているようです。

外猫の中には全く人に馴れない猫もいるので、捕獲器に入ったまま動物病院へ運ぶこともあります。動物病院で手術が完了したら、元の場所へ放ち、あるいは新たな飼い主に譲渡されます。これらの一連の作業をTNRと呼び、捕獲のTrap、避妊去勢手術のNeuter、元の場所に戻すReturnの頭文字をとったものです。 

手術費用だけが経費として計上されていますが、対象となる猫を捕獲するまでの時間や労力、餌代などは全てボランティア任せの活動となり、それなりの覚悟は必要です。猫の繁殖抑制で大事なのは、継続することで効果があらわれ、周囲の協力や意見を遮断することなくすすめていくことです。

外猫の避妊去勢手術が終了すると、耳先端部をカットすることが一般的になりつつあります。これは再捕獲や再手術を避けるための目印です。ときどき街中で耳がカットされた猫を見かけますが、それは手術済みの猫であるということです。こうした猫を見て、大繁殖の抑制の観感興起になってくれればと私自身思うのです。