猫の大繁殖が完全に抑えられていない2つの理由

最近では、完全室内飼いが奨励され、避妊去勢手術も施されているため、飼い猫の自然交配は無くなりつつあります。それでもある住宅に暮らす高齢者が、猫の避妊去勢手術を行わなかったために家庭内で14匹に増え、多頭飼いとなって、悪臭と汚れで近隣から苦情が寄せられ、民生員や町会で、次の飼い主を見つけたという事例がありました。

このように、猫の大繁殖が完全に抑制されない要因は二つあります。

一つは捕獲されない猫がいるために避妊去勢手術が完了しないこと。捕まらない猫は罠の仕掛けを見破っており、捕獲するためには根気と知恵比べになっています。

そして、もう一つの要因は、楽観性バイアスが働いていること。つまり、今起こっている事が自分にとって大した問題ではないと考えていたり、誰かが外猫を何とかしてくれるという考えから対応を怠ってしまっていたりするのです。飼い主のいない猫であれば、対応が遅れてしまうことは仕方ないのかもしれません。

動物福祉で考える動物の五つの自由に「正常な行動がとれる自由」というものがあります。猫からするとこれらは猫のアンチテーゼ、つまり反対理論と思っているかもしれません。でも人は猫に癒され、猫は人と暮らす。互いに関係性を求めているのですから、悲憤慷慨することはないでしょう。

参考資料