猫を取り巻く環境は、年々変化しています。2019年に可決・成立した改正動物愛護法では、適正に飼うための規制が強化されました。それは動物を正しく飼うためと、必要としない繁殖は避けることなどが盛り込まれています。特に猫では、引き取り数が犬の2倍近く、処分数は5倍で、そのうち幼齢個体数は18倍(環境省 犬・猫の引き取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況より)となっています。猫の幼齢個体の多さには驚きの数値です。
特に飼い主のいない猫、つまり外猫数が大部分を占めおり、そうした猫のほとんどが屋外暮らしのため、個体数が増えてしまっています。また、感染症や生態系への影響も考慮しなければなりません。汚れなどの苦情が自治体に寄せられることもあって猫の繁殖を抑える必要があります。
猫の避妊・去勢手術の相場
猫の繁殖を抑えるためには、自治体と個人によって猫の避妊去勢手術を施します。
動物病院での避妊去勢手術費用はオスで1万5000~2万5000円、メスは2万~3万5000円ほどです。オスは精巣の摘出、メスは卵巣、あるいは卵巣と子宮の両方を摘出します。どちらも全身麻酔で行われ、オスの去勢は日帰りですが、メスの避妊手術では開腹手術になるので入院が必要となることもあります。
手術費用が動物病院によって異なるのは、術前術後の管理や検査であったり、麻酔担当医も対応する手術であったり、埋没縫合による吸収糸や薬品の違いからくるものです。