一元化「前後」にまたがる人の年金はどうなるの?

<一元化前に退職共済年金を受給している人>

一元化前(2015年10月前)に65歳以上で、すでに共済年金を受給している人は引き続き職域加算を含む退職共済年金を受給することができます。

<一元化前に共済年金の加入期間があり、一元化後に受給権を得る人>

2015年10月前に共済年金に加入していた期間が1年以上あり、2015年10月以後に年金の受給権を取得する人は、加入期間に基づいた経過的職域加算および年金払い退職給付が厚生年金に上乗せされて支給されます。

出典:公立学校共済組合「広報誌『共済フォーラム』平成26年(2014年)9月号」を元に筆者作成

窓口が一つに(ワンストップサービス)

一元化前までは、共済年金に関する相談や届出は各共済組合に、厚生年金に関する相談や届出は日本年金機構に分かれていましたが、一元化により、年金事務所と共済組合が情報共有を行うことで、すべての窓口で対応が可能となりました。

届出はいずれか一方の実施機関に提出することになります。年金相談は、どちらの機関でも対応可能ですが、年金事務所で対応できる相談は厚生年金に関するものに限られ、一元化前に権利が発生した共済年金に関する相談は行えません。

公務員が老後に備えるために

共済年金は厚生年金に統一されたことで、保険料率は厚生年金に揃える形で上がり、職域加算は廃止となりました。新しく「年金払い退職給付」が新設されましたが、保険料の負担が新たに発生しています。以前の公務員に比べて、年金に関する状況は厳しくなったといえます。

現在公務員として働いている人、これから公務員を目指す人は、個人型確定拠出年金(イデコ:iDeCo)やつみたてNISAなども活用して将来に備えてもよいでしょう。

参考資料

石倉 博子