クリスマスまでひと月を切りました。ブラックフライデーを筆頭に年末商戦の雰囲気が出てきて気分が高まる時期ですね。
一方で、昨今の原油高が、クリスマスケーキやおせちなどの価格に影響を与えることも懸念されていますね。
年金が収入の柱となる老後においては、こういった変動費は十分な貯蓄でカバーしていきたいものです。
老後の入り口となる60代の貯蓄事情は、どうなっているか気になるところです。現役世代のみなさんの中には、話題のつみたてNISAやiDeCo(イデコ)などでコツコツ資金形成を進めていらっしゃる方も多いでしょう(※編集部注)。
本日は、証券会社で約20年の経験をもち、現在はFPの資格保有者であるファイナンシャルアドバイザーの筆者の視点から、いまの60代世帯の貯蓄事情を見ていきます。
【※参考記事】【iDeCo】10年で資産残高1000万円を超えた人はどんな運用をしている?
60代世帯の貯蓄事情「貯蓄100万円未満世帯」の割合は?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」をもとに、貯蓄額ごとの世帯割合を見ていきましょう。
金融資産を持たない世帯も含めた、「60歳代世帯全体」のデータです。
平均:1745万円・中央値:875万円
※平均は超富裕層など、一部の大きな資産額の影響を受けて引き上げられる傾向があります。よって、数を大きい順(または小さい順)に並べた際の真ん中にある「中央値」がより実態に近く、ご参考にしていただきやすいでしょう。
「金融資産保有額100万円未満」の世帯は全体の21.8%。5世帯に1世帯ほど存在することになりますね。多くの方がリタイヤを考える60代の時期までに、思うように貯蓄が進まなかった世帯が一定数あることがうかがえます。
その一方で、3000万円以上を保有する世帯も約2割。同じ60代の中でも、世帯によって大きな貯蓄格差が生じています。