決算発表の翌日、株価が急騰

スタートトゥデイ(3092)の株価が急騰しています。

同社は2017年1月31日に2017年3月期第3四半期(Q3)の決算を発表し、これが好感されました。株価は翌日の2月1日に前日比+14%高で取引が始まり、+18%の年初来高値で取引を終えています。

2007年12月の上場以来順調に株価は上がってきましたが、ここにきてさらに上昇に拍車がかかっています。まず、過去の株価の推移を次のグラフで確認してください。なお、このグラフには2017年2月1日の株価情報は反映されていません。

スタートトゥデイはZOZOTOWNを運営

ご承知の方も多いと思いますが、同社は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」というスローガンのもと、スマホに最適化された日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」及びファッションメディア「WEAR」を運営しています。

Q3決算の評価ポイントとは

Q3累計(4-12月期)の決算は、売上高が対前年同期比+42%増の537億円、営業利益が同+64%増の193億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同+78%増の141億円になりました。利益額も大きいうえ、増益率がきわめて高いことがわかります。

同社の決算が好感された理由は次のように考えられます。

第1に、増益率が四半期ごとにしり上がりに加速していることです。営業利益は、Q1(4-6月期)が同+34%増、Q2累計(4-9月期)が同+51%増と推移してきました。勢いの強さがおわかりになるでしょう。これは主力事業のZOZOTOWNに出店するショップ数、購入者数が順調に増えており、1人当たり年間購入金額が一定レベル維持できているということです。

個人のユーザーなどから中古ファッション商材を買い取り販売する「ZOZOUSED」事業も高成長を遂げており、ZOZOUSEDを含むZOZOTOWN事業の取扱高はQ3累計で1,429億円、対前年同期比+41%増となっています。ファッションメディアである「WEAR」のアプリダウンロード数も2016年12月末に800万ダウンロードを超えており、堅調です。

第2に、通期計画に対する高い進捗です。Q3累計の営業利益は通期計画の87%を達成しており、通期の着地が計画を上振れる期待が高まっています。

第3に、トランプ政権の政策に伴う混乱の中、外部環境に依存せずに地力で成長する力のある企業を投資家が求めているという事情です。ちなみに、同社の2017年3月期ROE(自己資本利益率)の会社見込みは68%と、日本企業としては突出した水準と言えます。増益率とともに資本効率の高さも評価のポイントになっています。

今後のポイントは?

同社の強みは、何といっても平均年齢約33歳の比較的若いユーザーをアクティブユーザーとして抱えていることでしょう。

彼らにとって利便性の高いファッションECサイトを提供し、それに連動して「WEAR」でさまざまな着こなし情報を提供し、さらに中古ファッションの商流も押さえていくことで、スマホ片手にいつでもどこでもファッションを楽しめる世界をつくることができそうです。年間購入者数は約580万人ですので、まだ上乗せ余地がありそうです。

同社は中期の目標に商品取扱高5,000億円(2017年3月期会社計画1,950億円)、営業利益500億円(同221億円)を掲げています。この目標に向けてユーザー数の増加と1人当たり年間購入金額の維持・向上を進めることが期待されます。

 

LIMO編集部