今年ももう1ヶ月で終わり。貯蓄や月々の生活費など「今年のお財布事情」についてもそろそろ見直す時期です。
人生100年時代といわれる現代。生命保険文化センターの調査によれば、老後資金を使い始める平均年齢は65.9歳から。年金の受給開始年齢も原則65歳ですから、およそ35年間を「年金と貯蓄」で過ごすことになります。
人生のおよそ3分の1が老後という現実に、不安を抱える方も多いでしょう。
今回は、今のシニア世代のお財布事情を確認しながら、老後が不安な夫婦がやめたことを3つご紹介します。
今のシニア世代の「年金と貯蓄」平均額は?
実際に今のシニア世代は、どれくらいの年金を受給し、貯蓄を保有しているのでしょうか。まずは厚生労働省年金局の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」より、今のシニア世代が受給している年金の平均月額を確認します。
【国民年金】平均月額:5万5946円
- 男性平均:5万8866円
- 女性平均:5万3699円
【厚生年金】平均月額:14万4268円
- 男子平均:16万4770円
- 女子平均:10万3159円
たとえば「厚生年金の夫と国民年金の妻」の場合、1カ月の受給額は21万8469円になります。
ちなみに、「老後2000万円問題」の試算のもととなった金融審議会の「市場ワーキング・グループ(第21回)厚生労働省提出資料」によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実支出は26万3718円です。
1カ月の収支を見ると、4万5249円の赤字ですね。35年間では約1900万円赤字となり、貯蓄から取り崩す必要があります。
次に平均貯蓄額について、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年(2020年)」から確認します。
【二人以上世帯】金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 60歳代:平均1745万円 中央値:875万円
- 70歳代:平均1786万円 中央値:1000万円
平均値は一部の大きな数字に引っ張られる傾向にあります。より実態に近いといえるのは中央値でしょう。
中央値を見ると、60代で875万円、70代で1000万円。先ほどの計算では約1900万円の赤字でしたが、貯蓄額は心もとない結果となりました。
こういった現状を見ると、改めて年金や貯蓄の大切を実感するでしょう。