11月30日は「年金の日」です。みなさんご存じでしたか?

日本年金機構は公的年金制度の普及・啓発活動を目的に、11月を「ねんきん月間」と位置づけています。

その一環として制定されたのが「年金の日」。ひとりひとりが、自分の年金記録や受給見込み額を確認し、高齢期のライププランを考えるきっかけを作ることを目的とする日です。

私は以前、生命保険会社に勤務し、ファイナンシャルプランナーとして多くのみなさんのお金にまつわる相談を受けてきました。

今回は「年金の日」にちなみ、現在のシニア世代を参考に年金受給額事情と老後のお金についてお話ししていきたいと思います。

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年金制度のおさらい

本題に入る前に、日本の年金制度のしくみを整理します。

国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人を加入対象としています。

国民年金の保険料は定額制(※1万6610円)。20歳から60歳の「40年間」すべて保険料を納付すれば「満額」(※6万5075円)が受け取れ、納付期間が足りない場合はその割合を満額から差引く計算方式です。

一方、厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額を大きく左右します。

※国民年金保険料・国民年金の満額は、いずれも2021年度の月額です。

「国民年金(基礎年金)」はフル受給で6万円台。では実情は?

まずは「国民年金(基礎年金)」の受給額を見ていきましょう。

厚生労働省年金局が公表する「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、男女別の受給権者数は以下の通りです。

国民年金(基礎年金)の受給額事情

男女別・年金月額階級別老齢年金受給権者数

〈男子〉平均年金月額:5万8866円・〈女子〉平均年金月額:5万3699円

国民年金全体(男女計)の平均年金月額は5万5946円です。男女問わず受給額の平均や傾向に大きな差はないことがわかりました。

基礎年金のみを受給することになる、自営業やフリーランス、専業主婦・主夫のなどの方は、国民年金をフル受給(満額受け取ること)ができても、月額6万5000円程度の受給になることをふまえておく必要がありそうです。

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