イオンのSDGs・ESG戦略のポイントを解説!
「環境(E)」と絡めて、イオンのような大規模な小売店の事業の持続可能性を考えた場合、「仕入れの柔軟さ」「温室効果ガスの削減」などが特に重要となってきます。仕入れの柔軟さとは、様々な環境の変化においても、仕入れを止めることなく安定して続けられる仕組みといえるでしょう。温室効果ガスの削減については、業務体制や取り扱う商品において二酸化炭素(CO2)を出さないための工夫を取り入れるということになります。
これらの点で、イオンはどのような取り組みを行っているのでしょうか。仕入れの柔軟さについては、「イオン持続可能な調達原則」という独自ルールのもと、以下の取り組みを実践しています。
- 自然資源の違法な取引・採取・漁獲を排除する
- 生物多様性保全、自然資源枯渇防止の観点でイオン基準を設定・運用する
- 再生不可能な資源の利用については最小限に留める
- 農産物や漁業資源の産地、漁獲方法などのトレーサビリティを確立する
- 林産物において保護価値の高い森林の破壊を防止する
また、農産物、畜産物、水産物、紙・パルプ・木材、パーム油といったように資源ごとに調達方針と目標を設定している点も、きめ細やかです。具体的な取り組みの例としては、天然まぐろ資源に依存しない完全養殖まぐろの販売を開始・強化するなどしています。
温室効果ガスの削減については、「店舗」「商品・物流」「お客さまとともに」の3つの視点で、省エネ・創エネの両面から温室効果ガスをゼロにする取り組みを進めています。とりわけ、脱炭素型住宅の新築・リフォームや電気自動車(EV)の購入といった脱炭素型ライフスタイルへの転換をサポートする商品や金融サービスは、消費者との距離感の近さという強みを生かしたイオンならではの大規模かつ効果的な取り組みといえるでしょう。