実際、私立大学を中心に新設大学や募集定員が増えたこともあり、2020年度の大学進学率は54.4%と過去最高になりました。昭和の頃よりも大学入学のハードルが低くなっているわけですが、喜ばしいことだけではありません。

今後急速に18歳人口が減少していくのは確実なため、このままでは定員割れの大学や学部学科が続出するのは時間の問題。すでに厳しい現実に直面する私立大学は確実に増えています。

平成30年間で増え続けた大学

大学の増加は高度経済成長期からバブル期にかけてもみられました。文部科学統計要覧で大学数の変化をみると、1955年度から1990年度までの35年間で大学の数は全体で2倍以上、私立大学では約3倍に増えています。

この間、国内のライフスタイルや進学に対する考えがガラリと変わったことや、1980年代後半からは18歳人口が右肩上がりで、特に1990年代前半は団塊ジュニア世代に当たる18歳人口が200万人前後で推移していたこともあり、大学や学部学科の新設は自然な流れだったといえるでしょう。

しかし、その後は若年層の人口減少が続いているなかでも大学の新設は続きました。2020年度の大学数は全体で1990年度の1.5倍強、私立大学は約1.7倍。進学率が上昇しているとはいえ、平成の30年間でかなり大学数が増えていることが分かります。

  • 1955年度:228校(国立72校・公立34校・私立122校)
  • 1990年度:507校(国立96校・公立39校・私立372校)
  • 2020年度:795校(国立86校・公立94校・私立615校)