塩漬け投信はこうして生まれる・・・

最近自宅に投資信託(投信)の年次運用報告書(正式には交付運用報告書と言われます)が送られてきました。その昔、勉強も兼ねていわゆるアクティブ投信をいくつか購入しそのまま保有しています。アクティブ投信とは、運用のプロがうまく運用して儲けてくれる(はずの)投資信託のことです。

しかし人間不思議なもので、「勉強だ」と思って何かをしても、そのあとに勉強することは無いものですね。ほったらかしにして、年に一回の運用報告書が届くと「ああ、この投信買っていたな」と思い出す程度です。

それでも成績が素晴らしければよいのですが、ぱっとしないとわかってくるとその報告書を見る気もなくなります。年次運用報告書は開かずにそのままゴミ箱へポイと直行、こうして塩漬け投信が誕生します。
読者の皆さんにもこんな経験はありませんか?

負け組投信を断捨離するのは案外難しい!?

月次運用報告書をときどき眺めていると、自分の投信のパフォーマンスはある程度わかってきます。すべてが投信会社のうたい文句の通りに運用に成功するとは限りません。必然的に負け組投信が出てきます。

【コラム:月次運用報告書】

月次運用報告書は、投信の運用の中身を月次で確認できる重要な情報源です。直近までの運用パフォーマンスがグラフで見やすくわかるだけでなく、どんな銘柄をどの程度保有しているのか、運用者がいまどんなことに注目しているのかがわかります。投信の会社や運用者によって濃淡はありますが、おおむね必要な情報が網羅されています。ネット証券や運用会社のホームページで簡単に見ることができるので、是非チェックしてみて下さい。

 

問題はこの負け組投信をどうするかです。アクティブ運用といっても全戦全勝とはいきませんから、投資をしてしばらく負けていても「もう少ししたらプロとして取り返してくれるだろう」と期待したくなります。ここにはその投信を選んで買ってしまった自分の過ちを認めたくないという深層心理も働いていることでしょう。投資は長期で考えるべき、という刷り込みも効いてきます。

ここに、負け組投信の断捨離をつい先延ばししてしまう事情が隠されています。筆者もその例外ではありません。

年次運用報告書を必ず開く

投信の年次運用報告書が送られてくると、どれが負け組かは開く前にわかっていることが多いと思います。ですので負け組投信の報告書はそのままゴミ箱に直行しがちです。負けている投信のためにわざわざ手間をかけるのがバカバカしいからです。

しかし年次運用報告書は負け組投信の断捨離の決め手になります。ぜひ開いてみてください。

年次運用報告書のチェックポイント

アクティブ投信の場合、チェックすべきはひとつです。それは「3年連続でベンチマークに負けていないか」です。年次運用報告書は企業でいえば決算書です。この決算書が3年連続で芳しくないと「問題あり」とみなされると思います。投信の良し悪しの判断基準もこれと同じです。

報告書の4ページ目か5ページ目あたりにある「最近5年間の基準価額等の推移」に示されている表を見てみましょう。ここで「分配金再投資基準価額騰落率」が「ベンチマーク騰落率」を3年連続で下回っていれば、運用会社のなかで何かがうまく機能していない可能性があります。

一般的に言って、プロの運用者であれば3年に一回は得意な相場が来るはずです。その時にしっかりベンチマークに勝つこと、できれば3年分累計でベンチマークに勝ち切ることが一流の証です。野球の打者の一流の基準が打率3割にあるのと似ています。

筆者の場合、今回二つの投信が3年以上連続で負け越しました。思い切った断捨離で現金を作り別の投信に乗り換えると決めました。

短時間で終わりますので、ぜひチェックをしてみてください。

参考:失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント

椎名 則夫