東芝は2021年11月12日、2022年度から3年間の新たな中期経営計画を発表しました。会社発表によれば、企業価値の向上につなげるため、会社全体を事業別に3分割する方針を盛り込みました。早ければ2年後の分割、上場を目指します。

各社がこの事実を報じているものの、いまいち内容が良くわからない方も多いのではないでしょうか。そこでテクノロジーに詳しい証券アナリストの泉田良輔氏に、このニュースについて気になることを聞いてみました。

ーそもそもなぜ会社を3社に分ける必要があったのでしょうか?

会社としては、(株主)価値の顕在化、専門的かつ俊敏な経営、株主への選択肢の増加を上げていますが、一番大きな狙いはコングロマリットディスカウント(後述)の解消と機動的な資金調達の可能性を広げることにあると思います。

東芝は総合電機メーカーとして様々な事業を抱えてきました。ただし、こうしたざまざまな事業を抱えている場合には、株式投資家の場合であれば、どの事業の成長性に期待をして投資をするかの判断が不明瞭になったり、自分が投資をしたい事業にフルに投資をできないという問題点などが発生します。こうした事態を避けるために分社化をして、投資家が何に投資をしているのかを明確にしてやることができます。

また、今回のデバイスカンパニーのように、資金需要が相対的に必要な事業であれば(メモリーのような半導体事業ほどは必要ないが)、事業計画に応じて機動的に資金調達をすることも可能です。