ガソリンスタンドは、上記のように決まるコストに「適正利潤」を上乗せした価格で販売しています。この値段で客が買いに来れば売るし、買いに来なければ売らないというわけですね。

つまり、価格を先に決めて、その価格に見合った需要と同じ量に供給を合わせているので、常に需要と供給は一致しているのです。

野菜などは腐りやすいため、「買い手が少ないから販売量を減らす」ということが難しいので、買い手が少ないと値下げをする売り手が多いわけですが、ガソリンは腐らないので「コスト+適正利潤」を下回る値段で売る必要がないわけですね。

強いて言えば、需要が強ければ売り手が強気になって、「適正利潤」を多めに上乗せするかもしれないといった程度のことは起きているようですし、場合によっては売り手同士が客を奪い合う競争によって値下げ競争が発生することもあるようですが、値下げ競争の話は別の機会に。

本稿は以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義