特に、米国の金融政策が為替レートに大きく影響するので、世界中の投機家たちが米国の金融政策に関する情報を収集しながらニューヨークで投機に励んでいます。

ところで、原油の取引が産油国ではなくニューヨークで行われている理由は、「皆がニューヨークで取引をしているから」ということのようです。原油を売りたい人は、ニューヨークへ行けば買い手がみつかると考えてニューヨークへ来るわけですが、それによって原油を買いたい人もニューヨークへ来るようになる、というわけですね。

このように、たまたまニューヨークで取引をしている人が多いと、皆がニューヨークへ来るので、ますますニューヨークに取引が集中するといったことは様々な場面で目にします。

たとえば東京が大都市なのも、仕事を探している人が東京へ来て、労働者を探している企業も東京へ来る、といったことがずっと行われているからなのですね。

日本国内の需給は反映しないのか

物(財およびサービス、以下同様)の値段は、需要と供給が一致するところに決まるというのが経済学の大原則です。そうであれば、日本国内のガソリンの価格は日本国内の需要と供給の関係で決まるはずなのですが、その点はどうなのでしょうか。

実は、確かに日本国内の需要と供給の関係で決まっているのですが、供給量が自由に動くので、需要の変動が価格に影響しにくいのです。