政府は2022年2月から、保育や介護、看護で働く人の収入を月3%程度、ひと月平均で5000円~1万2000円ほど引き上げる方針を固めたと報じられました。公的に処遇が決まる保育士や介護職員、看護師の賃金を引き上げることで、民間でも賃上げが進むことが期待されています。
国税庁が2021年9月29日に公表した「令和2年分(2020年)分 民間給与実態統計調査」によれば、平均給与は433万円(前年比0.8%減)。2010年(平成22年)の平均給与は412万円であり、それ以降400万円台前半で推移しています。
そのうち、保育士や介護、看護師などの「医療・福祉」分野では平均給与397万円(平均給料・手当342万円/平均賞与55万円)でした。では、その他の業種の平均給与はいくらでしょうか。業種ごとの男女・雇用形態別の賃金も確認していきます。
【業種別】平均給与(給料や賞与など)はいくら?
同調査より、業種別の平均給与について、多い順に見ていきましょう。
【業種別】平均給与(平均給料・手当/平均賞与)
全体平均:433万円(369万円/65万円)
- 電気・ガス・熱供給・水道業:715万円(569万円/141万円)
- 金融業、保険業:630万円(489万円/141万円)
- 情報通信業:611万円(497万円/114万円)
- 建設業:509万円(437万円/72万円)
- 学術研究、専門・技術サービス業教育、学習支援業:503万円(413万円/90万円)
- 製造業:501万円(410万円/92万円)
- 複合サービス事業:452万円(355万円/97万円)
- 運輸業、郵便業:444万円(390万円/54万円)
- 不動産業、物品賃貸業:423万円(375万円/48万円)
- 医療、福祉:397万円(342万円/55万円)
- 卸売業、小売業:372万円(323万円/49万円)
- サービス業:353万円(314万円/38万円)
- 農林水産・鉱業:300万円(265万円/35万円)
- 宿泊業、飲食サービス業:251万円(239万円/13万円)
14業種中、今回焦点となった「医療、福祉」は10番目で約397万円。人の安全や命を守り、心身ともに重労働といわれる業種ですが平均を下回ります。
最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の715万円。平均給与433万円を超えるのは8業種となりました。