給与段階別の割合でみると……
ではもう少し詳しく、給与段階別にみた構成割合で比べます。
まずは今回賃上げとなった「医療・福祉」の1年間の給与について、給与段階別の割合をみていきましょう。
【医療・福祉】平均給与・給与階級別の構成割合
平均:397万円
- 100万円以下:6.2%
- 100万円超 200万円以下:14.9 %
- 200万円超 300万円以下:18.1%
- 300万円超 400万円以下:23.9%
- 400万円超 500万円以下:17.5%
- 500万円超 600万円以下:9.1%
- 600万円超 700万円以下:3.7%
- 700万円超 800万円以下:2.1%
- 800万円超:4.5%
「医療・福祉」分野の平均給与で最も多いのが「300万円超 400万円以下」。一方で、200万円以下が21.1%とおよそ2割を占めています。
保育士や介護職員、看護師の中には非正規雇用で働く人も少なくありません。2021年11⽉8⽇に公表された財務省の「社会保障」によると、女性の介護分野職員の正規の職員・従業員は59万340人に対し、非正規は60万1920人。女性の介護分野職員は、非正規雇用のほうが多くなっています。
「医療・福祉」は女性や非正規の方が多いことが、賃金の低さにも影響しているでしょう。
他の業種に関して、「最も多い給与段階の割合」を比べてみましょう。
先ほどの業種別の平均給与トップ3ですが、平均給与800万円超が「電気・ガス・熱供給・水道業」では33.7%、「金融業、保険業」では25.0%、「情報通信業」では20.8%と、それぞれ最も多くの割合を占めています。
一方で、下位の業種で最も多い割合は「宿泊業、飲食サービス業」で「100万円以下」が28.4%、「農林水産・鉱業」で「100万円超200万円以下」が28.3%、サービス業で「200万円超 300万円以下」が21.5%。業種によってこれだけ差があることが分かります。