【業種別】男女別の正規・非正規の賃金は?

先ほど「医療・福祉」分野の女性と非正規の多さを指摘しましたが、国税庁の調査で正規・非正規の平均給与(男女別)は以下の通りです。

平均給与(正規/非正規)

平均給与:496万円/176万円

  • 男性:550万円/228万円
  • 女性:384万円/153万円

非正規の平均給与は、正規のおよそ3分の1。最も少ないのは女性の非正規で153万円です。

さらに詳しく見るために、厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」から、業種ごとの男女・雇用形態別の賃金をみていきましょう。はじめの統計とは別なので分類が異なりますが、おおよそ平均給与が多い順と同じように並べます。

※「賃金」とは、6月分として支給された現金給与額のうち超過労働給与額(時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当として支給される給与)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。

令和2年の平均賃金:男性(正規/非正規)・女性(正規/非正規)

  • 金融業、保険業:48万9800円/31万6500円 ・28万9400円/21万1500円 
  • 情報通信業:40万7500円/35万8900円 ・32万8500円/23万5900円 
  • 建設業:34万8900円/30万600円・25万5000円/21万5400円
  • 学術研究専門・技術サービス業:42万6200円/35万3000円 ・31万2300円/23万7200円
  • 教育、学習支援業:43万9800円/32万6100円 ・32万900円 /23万2800円
  • 製造業:33万1000円/22万8500円 ・24万1500円/17万1800円
  • 運輸業、郵便業:29万2800円/21万6300円 ・24万1100円/18万4200円 
  • 医療、福祉:36万3200円/25万1200円・27万2200円/20万4100円
  • 卸売業、小売業:36万円/22万1800円 ・26万4600円/17万9600円
  • 生活関連サービス業、娯楽業:31万7700円 /20万3100円 ・24万2100円/18万1700円
  • サービス業(他に分類されないもの):30万4500円/22万6600円 ・24万6100円/20万9000円
  • 宿泊業、飲食サービス業:29万400円/20万8700円・22万7000円/17万7500円 

正規雇用では「男性で40万円・女性で30万円」を超えるのは、「情報通信業」「学術研究専門・技術サービス業」「教育、学習支援業」。非正規の男性でも、「金融業、保険業」「情報通信業」「建設業」「学術研究専門・技術サービス業」「教育、学習支援業」は30万円を超えます。

一方で、非正規の女性では10万円台の業種も一定数見られました。非正規の男性の方が、正規の女性より賃金が高い業種もみられます。この差は職種の違いなども関係してくるのでしょう。