つみたてNISAの3つのデメリット
では、次につみたてNISAのデメリットを見ていきましょう。つみたてNISAのデメリットは、大きく分けて3つあります。
元本保証がない
既にご存知の方も多いとは思いますが、つみたてNISAは元本保証ではありません。
制度が始まった2018年から世界的に株価は右肩上がりで上昇しているため、つみたてNISAを始めて以来、現状で損している人はほとんどいないでしょう。
そのため、周りの人に聞いたりネットの情報を見たりしても「つみたてNISAで失敗をしている」という話はほぼ聞かないはずです。
ただ、実際につみたてNISAで購入するのは投資信託で、確かにプロが代わりに運用してくれる金融商品ではありますが、必ずしも利益が出るわけではない点に注意が必要です。
20年以内に売却判断が必要
つみたてNISAの最大のメリットは売却益が非課税になることです。
ただ、非課税期間の20年以内に利益を出して売却をしないと、つみたてNISAにおける非課税の恩恵は受けられません。
たまたま今後20年の間に、2008年にあったリーマンショックの様な出来事が起きる可能性もあります。したがって、必ずしも20年以内に上手く利益をだして売却出来るかどうかは分かりませんし、損をしたまま20年以上経過してしまう可能性もあります。
プロでも見極めが困難な売却のタイミングを、20年という期間の縛りがある中で探るのは思った以上に難しいことなのです。
損をしても税金が掛かる可能性がある
これは、非課税期間終了後もつみたてNISAで購入した投資信託を保有している場合の話です。
仮に、今年40万円分の投資信託を購入して非課税期間の20年間の間、一度も価格が上がらずに20年後半分の20万円になってしまい、そのまま保有し課税口座に移したとします。
その後価格が30万円まで上昇した際に、10万円損はしているけども、一時よりは価格が戻ったのでその時点で売却をするとどうなるでしょうか。
なんと、購入時点から見ると損をしているのに、税金が取られてしまうのです。
これは税制上のからくりで、つみたてNISAを通じて投資信託を購入し非課税期間終了時まで保有した場合は「終了した時点の価格」が税制上の買値とみなされます。
つまり、上記の例では、売却時点では「20万円から30万円に値上がりした」と見なされるのです。
このようにして、つみたてNISAで保有した場合「損をしていても税金が掛かる」という一見奇妙な現象が起こってしまうのです。
一方、通常の口座で同じように投資信託を購入した場合、「40万円から30万円に値下がりした」と見なされるので、売却時に税金は引かれません。