年金だけで老後は大丈夫?

老後を65歳から90歳の25年間とすると、上記のシングル世帯では約216万円が不足し、夫婦世帯では約33万円の余剰がでる計算になります。持ち家程度の家賃で計算した場合という前提ではありますが、シングル世帯は不足分だけを貯金でまかなえば老後は安心なのでしょうか。

実は先述の持ち家であるという前提以外にも、この平均値には2つの落とし穴があります。

落とし穴①ライフスタイル次第

先程の夫婦世帯の月の平均支出は25万5550円でしたが、生命保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後生活費は平均36万1000円必要というデータがあります。ゆとりある老後を送りたい方は、月あたり10万5450円不足し、老後25年間で約3163万円の不足がでてしまいます。

落とし穴②介護費用がかかる場合も

先程の金額は、あくまでも健康で長生きができた場合ですので、健康状態によっては介護費用が必要になるという方もいらっしゃいます。LIFULL介護「老人ホームの費用相場」から費用をみていきましょう。生命保険文化センターによると平均介護期間は4年7カ月となり、入居時費用などをあわせると平均でこのような金額になります。

  • サービス付き高齢者向け住宅(主に自立状態の方向け):約900万円
  • 有料老人ホーム費用(主に要介護状態の方が対象):約1800万円

こちらが1人あたりの費用ですので、夫婦では2倍の金額が必要になりますね。