日本の国内最高齢は118歳。明治36年(1903年)生まれのこちらの女性は、同時に「存命する世界最高齢」のギネス世界記録保持者でもあります。日本は世界と比べても長寿大国ということがわかりますね。
健康で長生きできるのは嬉しいことですが、生きていくのにはお金がかかるもの。令和元年(2019年)の簡易生命表によると、女性の51.1%、男性も27.2%が90歳まで生きています。
今日は、保険会社で勤務経験があり老後資金の相談にものってきた筆者が、今の65歳以上でお仕事を引退された無職世帯がどんな老後を送っているのか、お金の面から眺めていきます。シングル世帯・夫婦世帯どちらもみていきましょう。
【関連記事】 厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合
65歳以上・無職「シングル世帯」の収支バランスは?
まずは、65歳以上・無職シングル世帯の月の家計収支の平均をみてみましょう。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)家計の概要」によると下記の通りです。
収入合計:13万6964円
【内訳】
- 社会保障給付(公的年金など):12万1942円
- 仕送り金:1034円
- その他:1万3988円
支出合計:14万4687円
【内訳】
非消費支出(税金や社会保険料):1万1541円
消費支出:13万3146円
- 食費:3万6581円
- 住居:1万2392円
- 光熱・水道:1万2957円
- 家具・家事用品:5328円
- 被服及び履物:3181円
- 保健医療:8246円
- 交通・通信:1万2002円
- 教育:0円
- 教養娯楽:1万2910円
- その他の消費支出(交際費や諸雑費など):2万9549円
シングル世帯の収支バランスは、月あたり7723円の赤字でした。
医療費も月約8000円、年間にすると10万円ほどかかっていることになりますね。年齢があがると病気のリスクも高まりますので、入院や手術となった場合さらにお金が必要になります。
また、平均の住居費が1万2392円ということから、賃貸派や住宅ローンの支払いが継続している方はさらに不足額が増えることになります。