もしかすると、景気がボトムをつける前に企業収益は改善を始めるかもしれません。不況期には設備投資をせず、減価償却によるキャッシュフローが借金返済に使われるため、支払い金利が減っていくといった理由です。
発表された決算が人々の予想と異なるほど株価は大きく動くわけで、景気のボトム近辺での増益決算は株価を大きく上昇させるでしょう。
その後も、景気回復の初期は経済指標が良いものと悪いものの混在となるため、人々が景気回復を確信できずにいます。景気に対する懐疑の中で株価が上昇を続けるわけです。
景気回復後半には人々の期待は高まり、増益率は低下
景気の回復が続くと、景気の足取りがしっかりするため、人々が景気の先行きに自信を持つようになります。しかし、それとともに企業の増益率は下がってきます。前期の利益水準が上がってくるからですが、それだけではありません。
社内の余剰労働力や余剰設備が減ってくると、新しく労働者を雇ったり設備投資をしたりする必要が出てくるので、コストが膨らんでくるわけです。材料費も値上がりしてくるかもしれません。
人々が景気の先行きを楽観し、それなら株価にも楽観的になって良いだろうと考える頃には、増益率は下がり、強気相場は成熟してきているわけですね。
金融引き締めは株価の押し下げ要因に
景気がピークを迎える頃には、景気は絶好調で人々は幸福なのですが、日銀はインフレを気にするようになり、金融を引き締めます。景気をわざと悪くしてインフレを抑えようというわけですね。