G(企業統治):株主との対話重視で透明度高いIRを推進
コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス、情報管理など企業統治のテーマは多いですが、同社において注目すべきは「株主との対話」の取り組みでしょう。同社は「開かれた株主総会」を目的に、株主が最大数参加できるよう、いわゆる集中日の3営業日以上前に利便性の高い場所を会場として総会を開催しています。機関投資家から特に要望の強い株主総会招集通知の早期発送と早期開示にも応えるため、2021年6月の定時株主総会では開催日の29日前に招集通知を発送しました。
また、議決権行使の利便性向上のため、パソコンやスマートフォンによる電子投票の仕組みを採用しているほか、国内外の機関投資家が活用できる「議決権電子行使プラットフォーム」にも参加しています。
IR活動も優れています。株主との対話による双方向コミュニケーションを掲げる中、機関投資家との個別面談回数など、ターゲット投資家との関係強化につながるアクション件数をKPIに設定しています。なお、ウェブの効率活用も寄与し、2020年度の機関投資家との面談件数は570件にも上りました。
投資家のESG視点に対する配慮もあり、ウェブ上での情報発信に加え、説明会や個別面談を通じてサステナビリティー目標の進捗を伝え、対話によって得た示唆を経営にフィードバックしています。
そのほか、タイムリーかつ適切な情報開示と国内外での情報格差低減のため、決算関連資料などについて日本語・英語版を同時に開示しているほか、サステナビリティサイトにおいて非財務情報の充実にも積極的に取り組んでいます。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03