「厚生年金」は現役時代の収入や加入期間によって決まるものなので、老後にどのくらい受給できそうかというのはイメージがつきにくいところがあります。雇用形態については、現代はフリーランスへ転職したり、子育ての理由などからパートに雇用形態を転換したりされる方も多いですよね。

そこで本日は証券会社で約20年の経験をもち、現在はFPの資格保有者としてファイナンシャルアドバイスを行っている筆者の視点で今のシニアの厚生年金の受給額を確認しながら、正社員や常勤パート、アルバイト、自営業など「経歴ごと」の受給額についてもみていきましょう。

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厚生年金、今のシニアのひと月の受給額は?

まずは厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」から、今のシニア世代の厚生年金の受給額をながめていきます。

厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数

  • ~5万円未満:15万977人
  • 5万円~10万円未満:97万6724人
  • 10万円~15万円未満:261万3866人
  • 15万円~20万円未満:436万9884人
  • 20万円~25万円未満:224万9128人
  • 25万円~30万円未満:28万8776人
  • 30万円以上:1万7626人

厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数

  • ~5万円未満:31万5100人
  • 5万円~10万円未満:234万1321人
  • 10万円~15万円未満:218万2510人
  • 15万円~20万円未満:41万2963人
  • 20万円~25万円未満:6万3539人
  • 25万円~30万円未満:4166人
  • 30万円以上:379人

厚生年金は加入月数や収入に応じて決まるため、その受給額は1万円未満~30万円以上と大きな差があります。ボリュームゾーンを見ると男性は「15万円~20万円未満」、女性は「5万円~10万円未満」です。

平均額は14万4268円。男女別の平均は男性16万4770円、女性は10万3159円で、約6万円の差があります。

女性の場合、ライフスタイルの変化により家庭に入ったり、子育ての関係から正社員からパートタイムなどへと雇用形態が変わっていたりする方も多く、年金額に影響が出ていることが考えられるでしょう。