2021年1月に総務省が公表した「2020年(令和2年)労働力調査」によると全就業者数6676万人のうち、65歳以上の就業者数は906万人。前年に比べて14万人の増加です。

働くシニア世代を後押しするしくみも整いつつありますが、年を重ねると健康面での不安を感じることも増えるはず。厚生労働省によると、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、男性72.14歳、女性74.79歳です(2016年時点※)。

そこで頼りになるのは、年金生活を支える柱となる「貯蓄」といってよいでしょう。今日は、70歳から先のシニア世帯のフトコロ事情を見ていきます。

公益財団法人生命保険文化センター「健康寿命とはどのようなもの?」

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70代以上世帯にはどのくらい貯蓄があるのか

さいしょに、金融広報中央委員会が公表した、最新版「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、70代以上の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)について確認していきます。

70代以上の金融資産保有額【二人以上世帯】(含:金融資産非保有世帯)

  • 平均:1786万円
  • 中央値:1000万円

年金生活を送る世帯が大半の70代以上世帯。その貯蓄額は、平均値で1786万円、中央値で1000万円です。平均は一部の極端に大きな値に引き上げられる傾向がありますので、より実感に近い中央値を参考にしていただくとよいでしょう。

ただし、この平均と中央値だけでは、シニア世帯のリアルな貯蓄事情をうかがい知ることはできません。そこで、70歳以上・二人以上世帯の「金融資産保有金額」の分布についても見ていきます。