「夫は外で働き、妻は家を守る」ーこれは一昔前の夫婦のあり方で、今の働く世代は共働き世帯が多いですよね。ただ田舎出身である30代の筆者の周囲を見ると、今の年金受給者である親世代もまたその上の世代も、地域性があるせいかそこまで専業主婦が多い印象はありませんでした。
いまの年金受給者の配偶者あり世帯の夫婦の組み合わせを見ると、「夫は正社員中心・妻は収入を伴う仕事をしていない期間中心(≒専業主婦)」は19%です。
今回は年金受給者の現役時代の働き方を眺めながら、今の国民年金と厚生年金のひと月の受給額についても見ていきましょう。
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いまの65歳以上・年金受給者の現役時代の経歴は?
厚生労働省の「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計) 」を参考に、いまの年金受給者の配偶者あり世帯について、夫婦の現役時代の経歴と平均年金月額も見てみましょう。
【65歳以上・配偶者あり世帯】現役時代の経歴(平均年金月額)
- 夫婦ともに正社員中心:18%(28.7万円)
- 夫は正社員中心・妻はパート・アルバイト中心:16%(24.9万円)
- 夫は正社員中心・妻は収入を伴う仕事をしていない期間中心:19%(26.3万円)
- 夫婦ともに自営業中心:12%(15.8万円)
- その他の組み合わせ:35%
専業主婦世帯が多い印象ですが、実際は約2割。夫婦ともに正社員中心とほぼ同じです。
妻の年齢階級別に見ると、90歳以上で最も多いのが「夫婦ともに自営業中心」で27%ですが、85~89歳で「夫は正社員中心・妻は収入を伴う仕事をしていない期間中心」が最も多く20%となり、65~69歳では「夫は正社員中心・妻はパート・アルバイト中心」が最も多く22%です(※その他の組み合わせを除く)。
90歳以上は農業などの自営業が多く、それ以降、専業主婦世帯が増えてきたのでしょう。女性の働き方をながめることで、その時代の特徴がみえてきますね。
いずれにせよ、どの年齢階級でも「夫は正社員中心・妻は収入を伴う仕事をしていない期間中心」は高くて20%でした。思っていたより少ないと感じた方もいるでしょう。
では、男女別に現役時代の働き方をみていきます。
65歳以上・老齢年金受給者の現役時代の働き方
男性
- 正社員中心:68.8%
- 常勤パート中心:1.8%
- アルバイト中心:1.2%
- 自営業中心 :17.0%
- 中間的な経歴:2.4%
- 不詳:8.5%
女性
- 正社員中心:22%
- 常勤パート中心:15.4%
- アルバイト中心:2.4%
- 自営業中心 :16.5%
- 収入を伴う仕事をしていない期間中心:17.7%
- 中間的な経歴:11.3%
- 不詳:14.7%
男性は正社員が約7割。女性は正社員が約2割で、常勤パート・アルバイトが約2割弱。収入を伴う仕事をしていない期間中心は17.7%で、自営業が16.5%です。
女性は経歴がさまざまで、男性のように突出して多い経歴はないとわかります。