親の片方が勉強に口うるさくなければ、子どもは逃げ場を確保できます。また、日頃から教育について話し合いをしていると、夫婦間で問題点や接し方の改善を考える機会にもなります。ただ、どちらが逃げ場担当になっても、単に子どもを甘やかすのではなく、「リフレッシュさせて自分と向き合えるようにする」のを意識することが大切でしょう。

客観的に意見を言える人が必要

親子が進学や進路でケンカすることは珍しくありませんが、夫婦ともに教育熱が高いと自分たちの考えや理想を押し付けてしまうことがあります。もしくは子どもそっちのけで、子どもの成績が上がらないのは母親のせい、父親のせいと非難合戦になる夫婦もいます。

夫婦でいがみ合いになれば当然、家庭の雰囲気が悪くなり、子どもに悪影響を及ぼします。教育に関しては責任を押しつけ合うのではなく、チームプレーを意識することが大切です。その点、関与の仕方を夫婦間で決めておくと、「熱く意見をいう」大人と「冷静に進学や進路をアドバイスする」大人が家庭にいることになります。

人生を左右する場面では、冷静に判断できる人間がいると子どもにとって大きな精神的支えになります。一方、両親ともにヒートアップしていると、子どもは「父親も母親も自分のことを分かってくれない」と本音を打ち明けられず、親子関係が気まずくなるなど、ほとんどメリットはありません。

もちろん、進学や進路に意見するには、日頃から子どもの教育に相応の関心を持っている必要があります。役割を分担すると言っても、「教育に一切口出しをしない」とか「関心を持たない」スタンスでは、子どもから「今さら何を言ってくるの?」と冷たくあしらわれてしまいます。

テストの結果や成績の推移、または希望する進路をある程度把握していなければ、何を言っても子どもの心に響きません。一方、普段は口うるさく言わないけれど、ここぞという時は意見をして子どもに考えさせる、というのは効果的でしょう。