小学生以上の子どもがいる親にとって、常に頭を離れないのが教育に関する問題ではないでしょうか。学校での勉強、習い事先での様子や塾のクラス分けなど、学年が上がれば上がるほど「うちの子はどうなのだろうか」と気になるものです。

一般的には母親の方がアレコレと勉強面の心配をするイメージがありますが、最近は教育熱心なお父さんも珍しくありません。塾の説明会に夫婦で参加することも、ごく普通の光景になっています。

子どもの進路に親が関心を抱くのは自然なことですが、夫婦そろって同じように教育に情熱を注ぐのは必ずしもプラスに働きません。中には、家庭という密室で親から追い詰められて心を壊す子どもいます。そうならないために、ある程度夫婦間で役割を決めておくと、行き過ぎた言動に歯止めをかけるブレーキになります。

子どもの逃げ場をつくる

毎日親から勉強についてガミガミ叱られて嬉しい子はいません。自分でもこのままではいけないと思っているのに怒られてヘコむ。やる気が出ないところに嫌味をいわれてさらにやる気を失う…。しかも両親から口々に「もっと勉強しなさい!」「遊ぶ暇があれば勉強しろ!」と言われると、子どもは負のスパイラルに陥りやすくなります。

親には、勉強しないと進路や進学の選択肢が狭まってしまうという危機感があります。つい口すっぱく小言をいうのは子どもを思ってのことですが、子どもが親の顔色をうかがうようになってしまうと、勉強に身が入りにくくなるものです。

さらに、常に両親の監視下に置かれていると、家庭での居場所がなくなり孤独感にさいなまれ、心を閉ざしてしまっても不思議ではありません。結果的に勉強への意欲が低下するような状況にならないためにも、夫婦が同じ熱量をかけるのではなく、話し合いをして「熱い」「ぬるい」など、それぞれの温度設定しておきましょう。