未婚・離別女性の年金額や経歴は?
それでは、未婚と離別の女性に視点を当てて、厚生労働省の「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計)」からその年金額や経歴を見ていきましょう。
【65歳以上・配偶者なし世帯】公的年金額分布状況
未婚(平均年金月額11万9000円)
- 月額5万円未満:10.1%
- 月額5~7万円:15.7%
- 月額7~10万円:14.7%
- 月額10~15万円:32.5%
- 月額15~20万円:15.3%
- 月額20万円以上:11.3%
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離婚(平均年金月額8万3000円)
- 月額5万円未満:21.0%
- 月額5~7万円:19.6%
- 月額7~10万円:30.3%
- 月額10~15万円:23.0%
- 月額15~20万円:4.1%
- 月額20万円以上:1.5%
まずは年金額ですが、未婚女性が約12万円に対し、離別の女性は約8万円。約4万円もの差が出ています。
先ほどの厚生年金の女性の平均月額(10万3159円)と比べると、未婚女性は女性の平均額より約1万6000円ほど高いですね。一方離婚の女性は、約2万円ほど低いです。
これは離婚の女性は出産で退職して専業主婦の期間が長かったり、復職するもののパートで働いたりするのが一因でしょう。ブランクがあると再就職しにくいですし、小さな子を抱えているとフルタイムで働きにくいといった問題もあります。
それでは実際に、現役時代の経歴をみていきます。
【65歳以上・配偶者なし世帯】現役時代の経歴類型
未婚
- 正社員中心:52%
- 常勤パート中心:9%
- アルバイト中心:1%
- 自営業中心:7%
- 収入を伴う仕事をしていない期間中心:2%
- 中間的な経歴 :9%
- 不詳:19%
離婚
- 正社員中心:29%
- 常勤パート中心:21%
- アルバイト中心:3%
- 自営業中心:10%
- 収入を伴う仕事をしていない期間中心:4%
- 中間的な経歴 :15%
- 不詳:17%
※「正社員中心」とは20~60歳までの40年間のうち、20年を超えて正社員だった者(他も同様)。
未婚の方は半数以上が正社員なのに対し、離婚の女性は正社員が29%、常勤パートとアルバイトをあわせて24%です。離婚の女性の方が、中間的な経歴や自営業中心が多いですね。
これまでご紹介した年金額は今のシニア世代のものです。働く女性も増えている今、女性の年金額はこれよりも上がる可能性はあります。ただ少子高齢化が進む今、全体的に年金額が下がる可能性もあることは頭に入れておきたいですね。