単身世帯の老後生活に毎月いくら必要か?

そもそも、老後生活を送るための年金の必要月額はいくらなのでしょうか。夫婦世帯の生活費に関する話題はしばしば取り上げられますが、ここでは単身世帯の支出にフォーカスしてみましょう。

総務省統計局「家計調査-家計収支(2020年)」を参照にすると、単身世帯の1カ月の支出は以下の通りとなります。

【単身世帯(男)65歳以上】

消費支出:13万6923円
うち住居費:1万1182円

【単身世帯(女)65歳以上】

消費支出:13万9417円
うち住居費:1万3116円

65歳以上・単身世帯の生活費の1カ月の支出は約14万円となります。会社員の厚生年金の平均月額とトントン、といったところですね。ただ、ここで2つ、気になる点があります。

■「住居費」が安すぎるのでは?

これは持ち家の単身世帯を含んでいるためです。よって非持ち家の方は、住居費用を別途加算する必要があります。

住居費については、総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」を参考にすると、65歳以上の単身世帯(民営借家)では月4万9970円となります。

■実は介護費用が含まれていない!

この「消費支出」の中には、介護に必要となる費用は含まれていません。

LIFULL(介護)の「老人ホームの費用相場」(2021年9月30日時点)を基に試算すると、「有料老人ホーム」は約1800万円~、「サービス付き高齢者向け住宅」は約900万円~となり、介護費用は少なくとも1000万円は見込んでおく必要がありそうです。

老後を65歳から90歳と見た場合、介護費用(仮に1000万円とします)を月額にすると、3万3333円(1000万円÷12ヶ月÷25年)となります。

非持ち家かつ介護費用にも備える場合、年金+αで、ひと月20万円以上のお金は確保しておきたいところしょう。