高年収世帯でも余裕はない?
ここまで年収600万円と1000万円世帯の貯蓄事情を見てきました。改めて、両世帯の共通点としてあげられるのは「住宅ローンの返済中であること」、また「18歳未満の子どもがいること」です。
人生の三大資金は「住宅資金・教育費・老後資金」。
住宅資金については、「ローンが残りあといくら」という風に計算もできます。
しかし、教育資金については塾代や大学費用、さらに一人暮らしをするための準備にかかる費用、月々の家賃とは別に仕送り費用など、想像していた以上にお金が必要だったという声も珍しくありません。
子どもが大学卒業してほっとしたのもつかの間、気づいたら自分たちの老後資金の準備ができていなかったという人も多いです。
いま目の前にある住宅ローンの支払いや教育費の金額も大きいですし、さらに「自分たちの老後資金もちゃんと貯めて!」と言われても、余裕がないと思われる方も少なくないでしょう。
しかし、老後お金に困ったからといって、子どもに金銭的援助を求めるのもなかなか難しい問題ですよね。
早い段階から「1年以内に使うお金(生活費や住宅ローンの繰上げ)」「5~10年後に必要なお金(教育資金)」「10年以上先に使うためのお金(老後資金)」などお金の色分けをして、家計管理をして将来に備えることが大切でしょう。
資産運用を活用するのも一つ
メガバンクの普通預金金利は0.001%程度。長引く低金利の今、住宅ローンや教育費とともに老後資金を準備するためには、早い段階から資産運用を活用するといいでしょう。
今はつみたてNISAやiDeco(個人型確定拠出年金)など、非課税で運用できる制度が整っています。長期間、毎月少額からコツコツと積立てをおこなうことで、利息に利息がつく複利効果で雪だるま式に資産を増やしていくことも可能です。
もちろんリスクもありますし、数多くある金融商品の中から自分に合ったものを選ぶ難しさもあるでしょう。オンラインセミナーなども開催されているので、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
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参考資料
- 高橋 明香「年収600万vs1000万円を徹底比較。世帯貯蓄や共稼ぎ」(LIMO)
- 国税庁「令和2年分(2020年)分民間給与実態統計調査」調査結果報告
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」
鶴田 綾