おひとりさまのお金の不安、どう対策する?

これまでおひとりさまの貯蓄事情を見てきましたが、できるだけ貯蓄を増やしたいというのは誰しも願うことでしょう。

生命保険文化センターの調査によると、老後資金を使いはじめようと考える年齢は平均65.9歳です。よく年金だけでは生活できないと言われていますが、65歳以降は老後資金を使い始めることを考えると、それまでに貯蓄を用意したいですね。

とはいえ、現在のコロナ禍においては、収入に不安を抱える方が少なくありません。メガバンクの預金金利も0.001%と低金利の今、「預金だけでは思うように老後資金を貯められない」という不安もあるでしょう。

こういった時代だからこそ考えたいのが、自分で働いてお金を増やすだけでなく、お金に働いてもらって資産を増やす「資産運用」です。つみたてNISAやiDeco(個人型確定拠出年金)といった言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

つみたてNISAは、自分で投資信託を選んで毎月積み立てていくもの。通常は運用益に20.315%もの税金がかかりますが、つみたてNISAなら毎年40万円まで、最長20年間非課税です(非課税運用額は最大総額800万円)。こういった国が後押ししてくれる制度もあり、投資をはじめる方も増えています。

たとえばつみたてNISAを利用して、月3万円を利回り3%で45歳から65歳まで20年間で投資できた場合、984万9060円になります。元本は720万円なので、約1.4倍に資産がふくらみます。

もちろん運用なので、元本割れするリスクはあります。「何の投資信託を選んだらいいの?」というのも、正解がないので難しいところでしょう。長期で考えれば一つに集中して投資をするのはリスクが高いので、長く成長が見込める全世界に分散するのもいいですね。

米国では「アセット・アロケーション(資産配分)が長期的なリターンの9割を決める」といわれています。長期的な運用を考える上では、株式や債券などの割合をきちんと決めて投資をおこなうことが大切ということ。

配分の一つの参考としては、「100-年齢=株式の比率」という考えもあります。株式の割合は、40歳なら60%に、50歳なら50%になります。年齢が高くなるほどリスクは抑えるべきということなので、早い内から資産運用を検討するといいでしょう。