60代の「ほんとうの貯蓄額」って、どのくらい?

ここまで60代世帯の住宅ローン残高と貯蓄額について眺めてきました。

世帯の資産は、「貯蓄と負債」はセットにして見ていく必要があります。ここで、貯蓄額から負債額を差し引いた「純貯蓄額(=ほんとうの貯蓄額)」がいくらか検証していきましょう。

60代・二人以上世帯の「借入額」

同調査で、「借入金がある」と答えた60代・二人以上世帯は全体の31.2%、「借入金がない」と答えた世帯は67.3%、「無回答」が1.5%でした。

そして、無回答以外の世帯の「借入金」は、平均額:205万円(中央値:0万円)でした。

60代・二人以上世帯「ほんとうの貯蓄額」

60代の金融資産保有額から借入額を差し引いた、「純貯蓄額=ほんとうの貯蓄額」の平均は以下の通りです。

借入金がない世帯を含む

  • 1745万円(金融資産保有額)-205万円(借入額)=1540万円(純貯蓄額)

借入金がある世帯のみ

  • 1745万円(金融資産保有額)-691万円(借入額)=1054万円(純貯蓄額)

60代は、住宅ローンや教育費といった大きな出費が落ち着き、定年退職金が世帯の貯蓄額を引きあげるケースも多い時期。この世代特有の状況が、60代で純貯蓄額がいっきに増える背景にあることは間違いないといえそうです。

一方、借入金がある世帯に目を向けると、平均で考えたときの純貯蓄額は約1000万円。この先の退職金収入の有無などにもよりますが、老後の序盤としては、かなり心もとない金額ではないでしょうか。