猫は健康で快適に暮らすことで長生きします。それにはストレスのない暮らし、つまり猫の環境エンリッチメント(動物の福祉と健康)やQOL(生活の質)を考慮することにあります。具体的には食事、健康、居場所などが確保されていること。しかし、必ずしも猫が喜ぶとはかぎらず、そこのところは飼い主も知っておく必要があります。猫にしてみれば人に忖度しない、自らの意思を通しているだけのことです。

高級な食事や豪華なトイレ、猫用のためにリフォームをしても猫が好まなかったりします。それでも飼い主はお金が無駄になったとは思わず、次はどうしたら猫が喜ぶかなと思うのもの。こうした積み重ねが、猫を長生きさせるのです。

そこで今回は、猫に長生きしてもらうためのお金のかけ方について解説していきます。

猫を飼うために必要な「最低限度」の費用とは?

東京都福祉保健局の「東京都における犬及び猫の飼育実態調査概要(2017年度)」の生涯飼育にかかる費用のデータがあります。猫の平均年齢を15.03歳とし、年間費用は最も多かった上位30%の飼い主の計算になっています。その結果は下記の通り。

  • 食事代 年間費用(1~3万円)×平均年齢(15.03歳) =15.03万円~45.09万円
  • 医療費 年間費用(1~3万円)×平均年齢(15.03歳) =15.03万円~45.09万円
  • 諸経費 年間費用(1~3万円)×平均年齢(15.03歳) =15.03万円~45.09万円

これらを合計すると、生涯にかかる費用は「45.09万円~135.27万円」となります。

そして20歳まで長生きすれば、上記費用に5年分の「15万円~45万円」を加えることになります。しかし、ここに無駄遣いの過分な生活費は含まれていません。