スコティッシュフォールドの販売を禁じる国もある

このように、猫が高い遺伝病リスクと痛みを抱えることになるため、スコティッシュフォールドの販売を禁じている国もあります。

2021年10月1日より、ベルギーのフランドル地方では、スコティッシュフォールドやハイランドフォールドなど、耳が折れている猫種の繁殖と取引が禁止されました。

また、イギリス最大の血統登録団体であるThe Governing Council of the Cat Fancyは、1971年にすでにスコティッシュフォールドの血統登録を禁じているのです。

日本ではスコティッシュフォールドの販売および血統登録は禁じられていませんので、スコティッシュフォールドを飼うこと自体は問題ありません。

しかし、可愛がっている猫が遺伝病リスクを抱え、「痛み」を一生抱えることになる可能性があることと、他国で繁殖・販売を禁止する動きがあることを踏まえて、スコティッシュフォールドを新たに迎えるべきかどうかを考えるきっかけにしていただきたいと思います。

その際、ヨーロッパの獣医師団体であるFECAVAが「痛みを伴う重大な病気を引き起こすことがわかっている遺伝子変異を持つ猫(スコティッシュフォールド)を繁殖し続けることは倫理的に問題がある」と指摘し、猫の国際的な慈善団体であるInternational Cat Careも「スコティッシュフォールドの繁殖数や需要を減らすことを目指す」ことを明言している事実を重く受け止めたいものです。

参考資料

當瀬 ななみ