愛らしい猫の動き・生態を好きなときに眺められる猫動画。2021年8月12日に「もちまる」が「YouTubeで最も視聴された猫」としてギネスに認定されたのは、猫好きの方にとっては記憶に新しいでしょう。
そして、日本には過去に同様のギネス記録を持っていた猫「まる」(2016年9月22日認定)もいるのですが、いずれの猫も「スコティッシュフォールド」という種類の猫です。
折れ耳と丸っこい体型で人気を得ているスコティッシュフォールドですが、遺伝病リスクがある点は意外と知られていません。今回はこの点を解説します。
スコティッシュフォールドの遺伝病とは?
論文“A dominant TRPV4 variant underlies osteochondrodysplasia in Scottish fold cats”によると、スコティッシュフォールドの折れ耳とともに、軟骨や骨に異常が起きる「骨軟骨異形成」は優性遺伝します。これはつまり、「折れ耳」の時点で骨軟骨異形成であるということです。
更に、病院を受診したか、キャッテリー(猫の飼育・繁殖を行うところ)で飼育されているスコティッシュフォールドを調査した論文“Osteochondrodysplasia in Scottish Fold cats”においても、正常猫と交配した場合であっても、調査した折れ耳スコティッシュフォールドのすべてに骨軟骨異形成が確認されたと報告されています。
なお、「ギネス猫」である「もちまる」や「まる」はスコティッシュフォールドではありますが、動画を見ればわかる通り、いずれも耳が立っており、折れ耳ではありません。骨軟骨異形成である可能性は低いとみて良さそうです。