郵便の土曜日配達が廃止になったのは日本経済にとって良い変化なので、他社にも見習ってほしい、と筆者(塚崎公義)は考えています。
郵便の土曜日配達が廃止に
今月から、郵便の土曜日配達が廃止になりました。気付いた人は多いでしょうが、困った人は少ないのではないでしょうか。そうであれば、廃止は大正解ということですね。郵便局のコストは大幅に下がったでしょうし、利用者からの不満が特にないなら、廃止して良かったということですから。
郵便の翌日配達も、徐々に翌々日に変更されていくようですが、こちらは気付いた人が少ないかもしれませんね。気付いた人が少ないということは、困った人も少ないのでしょうから、これも大正解だったということですね。
本当に急ぐ人は速達を使えば良いわけですから、深刻な問題は生じないでしょう。速達の代金分だけ利用者全体が支払うコストは上昇するので、「値上げだ」ということになりますが、目くじらをたてるほどのことではなさそうです。
もしかすると、少子高齢化による労働力不足で配達員の賃金が上昇し、郵便料金の値上げが必要になるはずのところ、土曜日配達の廃止によって値上げが不要になったのだとしたら、利用者全体としては大きなメリットですね。
日本経済全体としても、郵便配達員の労働力が有効活用できるようになったわけで、事態の改善だと言えるでしょう。少ない労働力で同じ量の郵便物を処理できるようになったわけで、労働生産性が向上したと言って良いでしょうね。
社会情勢の変化への対応という位置付け
今回の変化は、社会情勢の変化に対応したものと考えることも可能でしょう。週休2日制の浸透によって、土曜日に配達する必要のあるビジネス書類が大幅に減ったわけですから。個人宛の郵便は、そもそも急ぐものは少ないので、受取企業の土曜日休業の影響が大きいわけですね。
インターネットの普及により、急ぐ手紙は郵便物ではなくメール等々でやりとりされるようになったということも大きいでしょう。ダイレクトメールや挨拶状などは急ぎませんから。