返品や返送料負担を回避する方法は?

こうして見てくると、返品ルールには消費者の自己責任もある程度盛り込まれていることがわかります。購入前に実物を確かめられないのはネット通販の特徴ではあるものの、利用者にとってはやや納得がいかないかもしれません。

ただ、そのような利用者の不満を解消するために、最近は事業者もさまざまな取り組みにチャレンジしています。たとえば、ディノスなどネットやカタログでアパレルを扱う事業者は、百貨店やファッションモールの一画に不定期で期間限定店舗を開設し、試着体験を提供しています。

実店舗を持つオンワードやアダストリアは、あらかじめネットで複数商品の試着予約を受け、店舗で試せる無料サービスを手がけています。気に入らなければ購入せずに済むため、消費者は気楽に利用できます。

自己都合で返品したい場合、実店舗で受け付けているオンラインショップもあります。マルイは、商品を店舗に持参して返品した場合に通常300円の返送料がかかりますが、自社発行の「エポスカード」を提示すれば無料で、その場で入会しても無料で対応してくれます。

届いた商品を自宅で試着でき、サイズが合わないなどの自己都合でも無料で返品できる事業者もあります。靴やアパレルを手がけるロコンドは、届いた状態のままでの返品であれば、セール商品を除き商品出荷日から21日間は無料で返品を受け付けています。

まとめ

返品や返送料負担は通販特有の悩ましい問題ですが、「返品不可」や「何日以内」など各社の条件をあらかじめ知っておけば購入後に困らずに済みます。

また、手数料を自己負担にしないためにも、サイズ確認や素材チェックなどは事前にしっかり行ってください。期間限定店や試着予約、自宅への取り寄せ試着などを通じ、納得したうえで購入するのも選択肢の1つといえるでしょう。

参考資料

返品特約の表示に関するJADMA指針(日本通信販売協会公式サイト)

通販研究所・渡辺 友絵