セカンドライフがスタートする60代。「人生100年時代」と言われる現代においては、まだ働き続けようか悩まれる方もいるでしょう。
PGF生命の「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」によると、59歳で就労している・していた1459人に「60歳以降、何歳まで働きたいか」を聞いたところ、「60歳までが14.7%、61~64歳までが7.1%、65~69歳までが41.8%、70~74歳までが25.6%」。60代後半~70代前半まで働きたいという人が多いと分かりました。
たびたび話題になる老後資金ですが、定年後も働いて収入を得られれば一つの安心材料になります。一方で、いつまで働き続けられるかわからないという点は、誰しも抱える不安でしょう。
基本的に老後資金の柱となるのは、公的年金と貯蓄。今回は60代の貯蓄や年金にも視点を当てて、定年後の暮らしを見つめていきます。
毎月貰える年金の受給額は?
まずは老後に毎月受給できる年金から見ていきましょう。現状では、基本的には65歳から国民年金や厚生年金を受給できます。それぞれのひと月の平均受給額を、厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から見ていきます。
まずは国民年金から。国民年金は20歳以上60歳未満の方なら原則加入するものです。
【国民年金】平均年金月額
- 男性:5万8866円
- 女性:5万3699円
平均額:5万5946円
あまり男女差はなく、それぞれ約5万円ですね。自営業やフリーランス、専業主婦の方は国民年金のみとなります。
一方で、厚生年金は会社員や公務員の方などが加入します。
【厚生年金】平均年金月額
- 男性:16万4770円
- 女性:10万3159円
平均額:14万4268円
上記は平均額ですが、厚生年金は加入月数や収入額に応じて受給額が異なります。育児や介護で離職をされたり、扶養内でパートをされていたりすると厚生年金に加入できないので、受給額に男女差が出やすいでしょう。
自分がいくら受給できるかは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されていますので確認しましょう。50歳以上なら「年金の見込額」が記載されています。