老後の生活資金、いくらなら足りる?
60代の年金と貯蓄を見てきましたが、老後資金にいくら必要かは、居住形態や住んでいる地域、生活水準などにより「生活する上で最低限必要な金額」は異なります。またリフォームをしたり、旅行をしたり、趣味や友人との交流を楽しんだり、子や孫に資金援助をしたりと、何をしたいかで「ゆとりのための必要な金額」も変わってきますよね。
日々の生活資金として毎月いくらかかるのか、金融審議会の「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」による、「高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)」の毎月の収支を確認しましょう。
夫婦二人世帯で、1ヶ月の支出は約27万円です。老後を30年と仮定すると、年金のみでは赤字が約2000万円ですね。
老後資金の赤字が2000万円でも大きいですが、実はこの計算は住居費が約1万3千円で計算されていたり、介護費用が含まれていなかったりします。賃貸の方は、これ以上の金額を用意する必要があるでしょう。
介護費用は、たとえば老人ホームなどに入る場合「LIFULL介護」の「老人ホームの費用相場(2021年8月31日時点)」をみると、下記の分だけかかります。
有料老人ホーム費用
- 入居時費用:540万円
- 月額費用(入居時費用あり):23万円
- 平均介護期間:54.5ヶ月(4年7ヶ月)※生命保険文化センター調べ
合計:約1800万円
サービス付き高齢者向け住宅
- 入居時費用:19.7万円
- 月額費用(入居時費用あり):16.5万円
- 平均介護期間:54.5ヶ月(4年7ヶ月)※生命保険文化センター調べ
合計:約900万円
1人あたり900~1800万円かかる計算ですから、夫婦ふたりでは1800~3600万円必要という計算です。在宅介護ならこれよりも金額は低くなりますが、それでも介護費用としての貯蓄も必要でしょう。