さらに、足元ではコロナの新規感染者数が減少傾向にあります。このままコロナがピークアウトすれば、経済活動再開への期待も高まることから株式市場には追い風となります。
米国などで株高傾向が続いているにもかかわらず日本株は出遅れ気味でした。いよいよ、その出遅れ感を取り戻す時期にさしかかったと見ていいでしょう。
日経平均は「往って来い」でゴールデンクロス形成
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は連休明けの21日に大きく窓をあけて下落。その後も陰線が続きました。ただ、23日の祝日をはさみ、24日には窓をあけて大きく上昇。5日移動平均線も回復しました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。3万円を割って大きく下落したことから、一時はこのまま25日線の2万9000円、さらには75日線の2万8500円あたりまで下がるのではないかと懸念されました。しかし、これまでの節が集まっている2万9500円付近で下げ止まると、再度反発。結果として「往って来い」のような形になりました。
チャートの形は悪くありません。25日線、75日線がともに上昇しており、さらに25日線が75日線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されています。
それ以前にゴールデンクロスが形成されたのはいつだったかと振り返ってみると、2020年10月で、これはその後2021年2月までの大きな上昇のきっかけとなった場面です。その点では、2月中旬から8月下旬まで続いた下降トレンドがいよいよ終了し、上昇トレンドに変化したと見ることができます。目線を上にもって付いていきたいところです。
上値メドとしては9月14日の高値(3万795円)になります。楽しみなのは、ここを抜けてしまうとかなり視界が広がっていることです。大きな節となると、バブル時最高値の3万8957円まで視野に入ってきます。一気に上のステージに上がることも期待できそうです。
下原 一晃