さて、「老後資金」をどう準備する?
では、「老後資金が足りなさそう!」という場合、どのように準備していけばよいでしょうか。
低金利が続くいま、銀行などの預貯金では残念ながらお金を増やすことには繋がりません。そこで視野に入れていただきたいのが「資産運用」のスタートを検討すること。
そこで筆者から、資産運用の3つのポイントをお伝えします。
①世界株式のような「成長資産」に目を向ける
まず、大きな資産を作っていく際には成長する資産に着目することが大切です。世界株式のように成長している資産で運用したとします。仮に毎月5万円の積み立てで6%の運用ができた場合、12年で1000万円以上の金額に増やすことができます。
今後も成長することが見込める世界経済や世界株式に目を向けることがポイントといえそうです。
②「長期積立」でじっくりお金を育てる
次に大切にしたいのが、「長期でコツコツ運用していくこと」です。金融商品は日々値動きがあり大きく損することもあります。そのため、長期間毎月積立てしていくことで、そのリスクを下げることができます。
また、複利のメリットを活かすことにも繋がります。
③投資と保障のバランスを大切に
長期で積立投資をしていく前提として、継続した収入があることが必要です。
病気やケガで働けなくなったら?収入が激減したら?
これらは誰にでも起こりうることでしょう。資産運用そのものを続けることが難しくなります。長期で積立していく際のリスクは、保障でカバーしておくことが大切です。
資産を育てる「仕組み作り」を
今回は60代の年金・貯蓄平均額を確認し、その後「老後2000万円問題」を紐解いていきました。
必要となる金額は人それぞれですが、老後の準備がまったく必要ない、という世帯はごく少数派でしょう。
資産運用ビギナーの方であれば、マネー情報サイトやセミナーなどを活用して、情報収集をするところから始めてみましょう。
お持ちの資産を、預貯金・保険・資産運用に「バランス良く」振り分けることで、効率良くお金を増やすしくみを作ることは、遠い将来の「ゆとりある老後生活」に繋がる第一歩といえそうです。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和元年度(2019年度) 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)各種分類別データ」
- 金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料
- 生命保険文化センター「介護や支援が必要な人の割合はどれくらい?」
- LIFULL介護「老人ホームの費用相場」
- 生命保険文化センター「介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?」
- 公益財団法人生命保険文化センター〈「生活保障に関する調査」/令和元年度〉
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 柴又順平(LIMO)「65歳以上・無職世帯の貯蓄は?老後2000万円の落とし穴も解説
宮内 勇資