【4パターン比較】「夫婦の働き方」と老後の年金

ここまで国民年金と厚生年金の平均受給額をみてきました。

単身で受け取ると考えると、少し心許ないと感じている方が多いかもしれません。

では、夫婦の「合算の年金収入」となれば、どれぐらい生活費がカバーできるでしょうか。夫婦の年金受給パターンを4例挙げ、受取額がどのように変わるかを比較してみましょう。

さきほどの「男女別平均年金月額」をそれぞれの夫婦が受け取ると仮定して、単純計算していきます。

◆パターンA「夫婦ともに厚生年金」を受給◆
夫婦合算:26万7929円(夫16万4770円+妻10万3159円)

◆パターンB「夫は厚生年金・妻は国民年金」を受給◆
夫婦合算:21万8469円(夫16万4770円+妻5万3699円)

◆パターンC「夫は国民年金・妻は厚生年金」を受給
夫婦合算:16万2025円(夫5万8866円+妻10万3159円)

◆パターンD「夫婦ともに国民年金」を受給
夫婦合算:11万2565円(夫5万8866円+妻5万3699円)

※上記は男女それぞれの「平均年金月額」に基づいて単純計算したものです。あくまでも参考程度にごらんください。

パターンAの「夫婦ともに厚生年金受給」の世帯と、パターンDの「夫婦ともに国民年金受給」の世帯の差額は、15万円以上になっていることがわかります。

夫婦いずれかが、国民年金のみ加入の期間が長くなるような場合、何かしらの対策が必要と言えるかもしれません。付加保険料の納付や、国民年金基金への加入など、公的年金だけに頼らず自ら年金を増やしていく必要があるでしょう。

また、夫婦ともに厚生年金の加入期間が主になる場合でも、現役時代の収入と同じような金額を年金で受け取るには遠く及びません。

ライフスタイルや価値観も違うため、老後に必要となるお金は、ひとそれぞれです。しかしながら多くの世帯で、公的年金以外の収入源や貯蓄を備えておく必要があると言えるのではないでしょうか。