誰もが一度は見たことがあると思われる、アニメ「サザエさん」。さかのぼれば、昭和21年に九州の地方紙に連載されたのがはじまりだそうです。

今ではサザエさん一家のような世帯構成の家庭は少ないのかもしれません。昭和の時代の典型的な家族の姿は、平成、令和と時は流れ、夫婦の働き方も多様化してきているようです。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は「夫婦の働き方」によって、老後の世帯年金収入がどのように変化するのか、現在のシニア世代の受給額事情を参考にお話をしていきたいと思います。

国民年金と厚生年金のしくみ

まずは「年金制度のしくみ」について復習しておきましょう。

年金制度のキホンをおさらい1/1

年金制度のキホンをおさらい

国民年金(基礎年金)と厚生年金の違いは?

国民年金は、日本国内に住むすべての20歳から60歳の人を加入対象としています。

保険料については定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)をとっており、20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れ、納付期間が足りない場合はその割合を満額から差引く計算方式をとっています。

一方、厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。

そのため、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額に大きく影響する仕組みとなっています。

上記のことから、日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれています。

国民年金(基礎年金)の平均受給額は

ここからは、厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、「国民年金(基礎年金)」の年金月額を見ていきましょう。

国民年金・平均年金月額
全体…5万5946円

  • 男性…5万8866円
  • 女性…5万3699円

前述のとおり、国民年金の年金保険料は一律で、納付した期間に応じて給付額が決定します。よって、性別や現役時代の収入額などによる金額の差はさほど大きくないことがデータからも見て取れますね。

厚生年金平均月額はいくらか

では続いて、厚生年金の受給額を確認していきましょう。

厚生年金保険(第1号) ・平均年金月額
全体…14万4268円

  • 男子…16万4770円 
  • 女子…10万3159円

平均額でみると男女で6万円ほどの差がありますね。女性は、結婚や出産、育児などで家庭に入ったり扶養内で働く人の割合が多いことなども、受給額が低くなっている背景の一つとして考えられそうです。

【4パターン比較】「夫婦の働き方」と老後の年金

ここまで国民年金と厚生年金の平均受給額をみてきました。

単身で受け取ると考えると、少し心許ないと感じている方が多いかもしれません。

では、夫婦の「合算の年金収入」となれば、どれぐらい生活費がカバーできるでしょうか。夫婦の年金受給パターンを4例挙げ、受取額がどのように変わるかを比較してみましょう。

さきほどの「男女別平均年金月額」をそれぞれの夫婦が受け取ると仮定して、単純計算していきます。

◆パターンA「夫婦ともに厚生年金」を受給◆
夫婦合算:26万7929円(夫16万4770円+妻10万3159円)

◆パターンB「夫は厚生年金・妻は国民年金」を受給◆
夫婦合算:21万8469円(夫16万4770円+妻5万3699円)

◆パターンC「夫は国民年金・妻は厚生年金」を受給
夫婦合算:16万2025円(夫5万8866円+妻10万3159円)

◆パターンD「夫婦ともに国民年金」を受給
夫婦合算:11万2565円(夫5万8866円+妻5万3699円)

※上記は男女それぞれの「平均年金月額」に基づいて単純計算したものです。あくまでも参考程度にごらんください。

パターンAの「夫婦ともに厚生年金受給」の世帯と、パターンDの「夫婦ともに国民年金受給」の世帯の差額は、15万円以上になっていることがわかります。

夫婦いずれかが、国民年金のみ加入の期間が長くなるような場合、何かしらの対策が必要と言えるかもしれません。付加保険料の納付や、国民年金基金への加入など、公的年金だけに頼らず自ら年金を増やしていく必要があるでしょう。

また、夫婦ともに厚生年金の加入期間が主になる場合でも、現役時代の収入と同じような金額を年金で受け取るには遠く及びません。

ライフスタイルや価値観も違うため、老後に必要となるお金は、ひとそれぞれです。しかしながら多くの世帯で、公的年金以外の収入源や貯蓄を備えておく必要があると言えるのではないでしょうか。

老後のお金は自分でつくる

ここまでの話をふまえ、「いまから貯金をしなければ!」と考えた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、低金利時代と呼ばれるいま、預貯金で漠然とお金を持ち続けていても、受け取る金利はほんのわずか。お金を「増やす」ことには繋がりにくいといえるでしょう。

そこでぜひ視野に入れていただきたいのが「お金に働いてもらう」という発想、つまり「資産運用」のスタートです。

公的な年金だけに頼らず、自助努力で資産を増やしていくことができれば老後の安心につながりますね。

資産運用には「長期・分散・積立」という3つのキーワードがあります。

貯蓄とは異なり、資産運用には元本保証はありません。そのため、集中的に投資をするのではなく、リスクを分散しながら積立を長期間で行えるかどうかがカギを握ります。

つまり、時間を味方にできれば、資産運用の結果も期待できる可能性が高まるといえるかもしれません。

セカンドライフを楽しむために

ステイホームがうたわれるいま、レジャーの機会がめっきり減った、という方も多いでしょう。そんないまこそ、ゆっくりじっくり「お金のこと」を考える時間が持てるチャンスともいえそうです。

無料のオンライン相談やマネーセミナーなど活用し、効率良く情報収集を進めてみてくださいね。

自由気ままな退職後のセカンドライフを過ごすために、今から資産運用の「初めの一歩」を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

吉田 奈都子