OECD(経済協力開発機構/欧州を中心に、日米を含めた先進国38カ国)の統計によりますと、日本の平均賃金は3万8515米ドルで、円換算約420万円(1米ドル=110円試算)です。

OECDの平均は4万9165米ドルで、円換算約540万円。1位はアメリカの6万9392米ドルとなり、円換算約760万円です。日本はOECD内で38カ国中23位であり、平均以下なのですね。

世界と比べて年収の低い日本ですが、会社員の夫とパートで働く妻の夫婦であわせておよそ500~600万円が世帯年収の平均層でしょう。今回は、この世帯年収600万円のお財布状況を探ってみたいと思います。

世帯年収600万円の資産内訳(貯蓄編)

総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考に、世帯収入ごとの貯蓄現在高と、その内訳について見ていきましょう。

世帯収入層:463~629万円(平均収入:541万円)

貯蓄現在高:1607万円
(内訳)

  • 通貨性預貯金:484万円
  • 定期性預貯金:532万円
  • 生命保険など:341万円
  • 有価証券:236万円
  • 金融期間外:14万円

世帯収入層:629万円~879万円(平均収入:742万円)

貯蓄現在高:1692万円
(内訳)

  • 通貨性預貯金:538万円
  • 定期性預貯金:539万円
  • 生命保険など:355万円
  • 有価証券:221万円
  • 金融期間外:38万円


これを勤労者世帯に絞り込むと、

世帯収入層:459~606万円(平均収入:532万円)

貯蓄現在高:931万円
(内訳)

  • 通貨性預貯金:327万円
  • 定期性預貯金:270万円
  • 生命保険など:229万円
  • 有価証券:90万円
  • 金融期間外:15万円

世帯収入層:606万円~760万円(平均収入:681万円)

貯蓄現在高:1245万円
(内訳)

  • 通貨性預貯金:423万円
  • 定期性預貯金:376万円
  • 生命保険など:289万円
  • 有価証券:117万円
  • 金融期間外:39万円

世帯年収600万円(全体)であれば、貯蓄現在高は1600万円程度。なかでも勤労者世帯に絞り込むと、貯蓄現在高は900~1200万円となります。

これは、勤労者世帯が住宅ローンや教育ローンなどの負債を抱えている割合が多いことが一因として挙げられるでしょう。