働き盛りといわれる40~50代、会社勤めの方であれば生涯において収入がピークとなる人が多い時期です。一方で、世帯の状況によっては子供の学費などで、支出も増える時期で。一番お金の出入りが激しい世代といえるかもしれません。
日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」(2020年10月30日発表)によると、高校3年間で必要となる費用は246万2000円。また、大学費用は718万9000円です。
高校入学から大学卒業まであわせると、入在学費用の合計は965万1000円という結果に。子ども一人で約965万円ですから、2人になれば約1900万にもなります。これが3人だったら……!
そうなると、やはり気になるのは懐事情。同世代がどのくらいの貯蓄ができているのかは、気になるところではないでしょうか。
そこで本日は、FPの資格を持ちながらファイナンシャルアドバイザーをしている私から、今の40~50代の貯蓄事情に触れたあと、「人生三大支出」についてもお話ししたいと思います。
40代の「貯蓄とその中身」
まずは40代、二人以上の世帯の貯蓄とその内訳を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」よりながめていきます。
【40代・二人以上世帯】金融資産保有額
(金融資産を持たない世帯を含む)
- 金融資産非保有:13.5%
- 100万円未満:8.7%
- 100~200万円未満:6.5%
- 200~300万円未満:7.3%
- 300~400万円未満:5.1%
- 400~500万円未満:5.4%
- 500~700万円未満:8.7%
- 700~1000万円未満:9.0%
- 1000~1500万円未満:12.7%
- 1500~2000万円未満:7.3%
- 2000~3000万円未満:5.1%
- 3000万円以上:7.6%
- 無回答:3.1%
平均:1012万円
中央値:520万円
平均値は大きな金額の影響をうけるので、実態により近いのは中央値の520万円といえるでしょう。詳しく見ると、1000万円以上保有している世帯は3割、200万未満世帯も約3割となっていました。
貯蓄をどのような金融資産で保有しているかは以下の通りです。いわば「貯蓄の中身」ですね。
【40代・二人以上世帯】種類別「主な金融商品保有額」
(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 預貯金(うち運用または将来の備え):473万円
- 生命保険:238万円
- 個人年金保険:81万円
- 株式:105万円
- 投資信託:27万円
- 財形貯蓄:46万円 など
上記は平均の1012万円の内訳ですが、預貯金は約半分。それ以外を生命保険、株式、個人年金保険の順で保有しています。半分は資産運用に回しているようですね。