国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、年収600~700万円以下の人は339万7000人(2019年12月3日時点)。全体(5255万1000人)の6.5%と少ないことが分かります。
同調査による平均年収は436万円で、平均年齢は46.7歳。他の年収分布をみると、年収100万円以下が8.7%、年収100~300万円以下が29.1%、年収300~400万以下が17.0%、年収400~500万以下が14.6%、年収500~600万円以下が10.1%と、日本では年収600万円以下が約8割を占めます。
ただし男女別の平均年収は男性540万円、女性296万円なので、共働きで世帯年収600万円を超えるご家庭はあるでしょう。
年収600万円の方の暮らしは余裕がある印象を受けますが、どれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。収入からの貯蓄割合もみていきます。
世帯年収600万円の貯蓄・負債はいくら?
年収600万円の世帯では、どれくらいの貯蓄や負債を保有しているのでしょうか。
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」を元に、まずは年収600~650万円の勤労世帯の貯蓄額と内訳を確認します。
【年収600万~650万円・勤労世帯】の貯蓄事情
平均年収…622万円
平均貯蓄額:1209万円
〈貯蓄の内訳〉
- 通貨性預貯金:412万円
- 定期性預貯金:376万円
- 生命保険など:263万円
- 有価証券:126万円
- 金融機関外:32万円
貯蓄額は約1200万円。1000万円を超え、余裕があるように感じられますね。約800万円弱を預貯金にし、残りは生命保険や有価証券などの資産運用もしています。
同時に見たいのが、年収600万円世帯の負債と、貯蓄から負債を引いた「ほんとうの貯蓄(=純貯蓄)」です。
年収600万~650万円世帯の負債
平均負債額・・・930万円
うち「住宅・土地のための負債」・・・874万円
純貯蓄:1209万円-930万円=279万円
負債のうち多くを住宅や土地が占めているため、住宅ローンが約900万円弱残っています。そのため、貯蓄から負債を引くと純貯蓄は279万。
この世帯年収の家族構成を見てみます。
年収600万~650万円世帯の家族構成
- 世帯人員:3.29人(うち18歳未満人員0.97人)
- 世帯主の年齢:48.3歳
- 女性の有業率:54.7%
家族3人で、世帯主の年齢は40代後半、18歳未満の子どもが1人。半分以上が共働きですね。
これから子どもを大学に入れ、同時に老後資金も準備するとなると、貯蓄があっても余裕とは言い切れません。