節税対策や資産運用を考えよう
年収600万円世帯の貯蓄や負債を見てきましたが、コロナ禍においては先行きが見えない不安もあり、「できるだけ貯蓄を増やしたい」という方は多いでよね。
とはいえコロナ禍では年収が上がるのは厳しかったり、転職をするのもためらったりという人も少なくありません。それならば、「今ある収入」で工夫をしてみましょう。
ふるさと納税などサラリーマンでもできる節税対策はいくつかありますが、節税対策にもなり、将来の年金が増える方法としてiDeco(個人型確定拠出年金)があります。
iDecoは自分で支払った掛け金を、運用しながら積み立てる私的年金です。現役世代は公的年金のみでは生活できない可能性が高いため、不足する分を個人年金保険やiDecoなどで用意する必要性が高まっているでしょう。
メリットとしては、掛け金が全額所得控除となるため、当年分の所得税や翌年分の住民税が軽減されること。掛け金の月額上限は、サラリーマンで2.3万円、公務員で1.2万円、個人事業主で6.8万円です。
ちなみにiDeco公式サイトの「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況 (2021年7月時点)」によると、会社員や公務員など第2号の方の毎月の定額拠出の平均は1万4290円です。こういった制度を利用して、節税をしたり老後に備えるのもいいでしょう。
ただし、iDecoは60歳まで掛け金を引き出すことができません。また、加入時・移管時手数料など手数料がかかりますし、運用なのでリスクもあります。
運用については、今では無料動画やオンラインセミナーなどを活用しながら学ぶことができます。本やニュースを読むだけよりも分かりやすいので、上手に活用して、資産運用で「お金に働いてもらう」スキルを身につけるのもいいですね。
今ある収入から、自分でできることを見つけてみましょう。
参考資料
- 国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- iDeco公式サイト「タイプ毎に違う?iDeCo加入のメリットとは」
- iDeco公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況 (2021年7月時点)」
宮野 茉莉子