「会社勤めで人事部の仕事をしているときにも、常に『キャリアコンサルタントだったらどうやってアドバイスするか』とか『どうやって自分の言葉を相手に響かせるか』ということを考えて仕事をしていた。FIRE後にやることが明確なら、それまでのサラリーマン人生も無駄にはならない」と話してくれました。
おわりに
3人に共通していたのは、かなり綿密な計画を立てていたことでした。妻と2人暮らしのCさんは「ずっと共働きで働いてきたから貯金は十分にあるし、こまめに投資もしてきた。持ち家のローンも繰り上げ返済で完済済み」と言います。
「自分の親は既にいないので心配ごとは妻の両親のみだけれど、妻の両親からは介護が必要になっても自分たちでなんとかするだけの蓄えはあると言われていた。だから、今後自分たちの生き方を根底から揺るがすようなことが起こる可能性は極めて低いと判断した」と教えてくれました。
Cさんのように、この先まとまったお金が必要になる可能性を考えておくことも、FIREをする準備の大事な要素です。また、リタイアした後の生活を考えて、自分のスキルをどのように活用していくかを検討する必要もありそうです。
今回話を聞いた3人は仕事を完全にやめるということはせず、週に数日間、ストレスを感じない範囲で働くという選択をしていました。それが自分の生きがいにもなっていて、生活にハリが出ると言うのです。ゆるく仕事を続けたいと思うのであれば、FIRE後の生活を見据えて必要なスキルを磨くことも重要ですね。
大塚 ちえ