具体的には、Aさんは毎月20万円ほどの金額を貯金に充て、ボーナスも全額貯金していたものの、「途中から、このままではいつまでたっても早期リタイアできないと思い、投資も始めた」のだそうです。

「これが意外と効果的で、ちょうどアベノミクス相場に乗れたこともあり、そこでぐっと資産がふえた。経済的に自立するのはやっぱり大変なことだと思いながら、ようやくめどが立ったので退職することにした」と振り返ります。

Aさんは大手コンサル会社で働いていたこともあり、相応の金額を貯金に回せたこと、また投資のタイミングに恵まれたことで比較的短期間でFIREを実現できたようです。

早期退職募集でチャンスが巡ってきた

続いては、54歳でFIREしたBさん。Bさんはメーカー勤務でしたが、会社の経営状況が悪化して早期退職募集がかかったためにそこで退職。その後は得意の中国語を活用し、外国人向けの日本語講師として週3~4コマの講義を受け持っています。

「30代に差し掛かったあたりから中国とのビジネス機会が増えたので、一念発起して中国語を勉強した。現地で仕事をすることも多く、中国語が不自由なく話せるようになった」と、中国語を習得した経緯を話すBさん。

「自分が小さい頃、父が仕事ばかりであまり家にいないことを寂しく感じていたし、それで子ども3人を育てる母の姿も見てきた。そんなこともあり、仕事づくしで終わる人生は嫌だなぁ、65歳の定年まで40年間以上会社で働くのは御免だと思っていた」と続けます。

そんなBさんのもとに舞い込んだのが早期退職募集の知らせ。「会社で早期退職者を募っているのを見て、これはチャンスだと思い、すぐに手を挙げた。上司や部下からは引き留められたけれど、こんな待遇で早くに会社を脱出できるなんて願ってもないチャンスだと思った」のだそうです。