女性ができる、老後資金への対策は?
これまでご紹介してきたのは、現在年金を受給されている方の人数や金額です。いまは専業主婦世帯より共働き世帯が多いので、厚生年金についてはこれ以上受給できる女性も増えるでしょう。ただし、年金については今後受給額が下がる可能性もあると言われています。公的年金だけで安心、とは言えない時代になりました。
公的年金で足りない部分については、私的年金で補うよう、前もって準備しておくといいでしょう。国民年金のみの方は、国民年金基金に加入すると、国民年金に上乗せした金額を受け取れます。
個人年金保険やiDeco(個人型確定拠出年金)といった制度の利用も検討してみては。いざはじめるとなると腰が重い方も多いですが、早く始めた分だけ老後資金が用意でき、安心感も高まります。
同時に、貯蓄も用意しておきたいところ。日々節約をして、毎月の貯金を増やすことも大切です。ただ低金利の現代では、貯金だけで老後資金を用意できるかというと、難しい面もありますよね。
投資信託や保険、株式といった資産運用で、今あるお金を「育てる」スキルを身につけるのもいいでしょう。毎月コツコツと積立てをすることで、リスクを抑えた運用も可能です。ただしどうしてもリスクは付き物ですので、資産運用に関する本を読んだり、無料動画やオンラインセミナーなども上手に活用して学んでみて下さい。
もちろん、働く時間を増やしたり、雇用形態を変えて厚生年金に加入したりする方法もあります。ただ、まだまだ家事や育児の負担が大きい女性にとっては、体力・気力ともに厳しく、無理になってしまう可能性も。
無理のない範囲で、自分に合った方法で、将来について考えてみてくださいね。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業年報」
- 男女共同参画局「男女共同参画白書 令和3年版」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
- 日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
宮野 茉莉子